ベトナムとラオスは近年、経済的な結びつきを強くしています。
最近では、ベトナム最大のホテルグループ、ムオンタインホテルが首都ビエンチャンに5つ星ホテル、ムオンタイン・ラグジュアリー・ビエンチャン(Muong Thanh Luxury Vientiane)をオープンしたこともニュースになりました。
ラオスは国土が結構広いわりに、人口が少ないので、まだ手のついていない新しい農地としても注目を集めています。
ベトナムとラオスを結ぶ高速道路で両国の結びつきはさらに強固に
ベトナムの首都ハノイから、ラオスの首都ビエンチャンを結ぶ高速道路の計画が両国政府内で進んでいます。実際には直線で結ぶのではなく、ベトナムのゲアン省を経由してのハノイまでのL字型の高速道路です。(ネタ元:VIETJO:ハノイ~ビエンチャン間高速道路建設計画案、両国政府に提出へ)
ラオスは海港がないため、ベトナムのゲアン省に抜けるルートができれば、ベトナムの港を活用できることになります。さらに、2017年に稼動がみこまれるギソンの製油所、発電所ができれば、ベトナムは国内だけでなくラオスへの市場も同時に開拓できるようになりそうです。
両国の経済発展を大きく後押ししそうなこの高速道路。2020~2025年までの完成をめざすということですから、動き出せばすごいスピードで進むのかもしれません。
実はこの計画、ベトナム国内側はハノイからゲアンまでの4車線道路が数年前にできているので、ゲアンの省都ビン(Vinh)からビエンチャンまでの431kmの整備が一期目の工事になるのではないかと思われます(赤色の線)。
ベトナム国内は国境までの65kmの整備だけなので、ベトナムにとって負担も少なく、利益の大きい投資になるのではないかと考えられます。
東西経済回廊よりもベトナムにとってラオスへの影響力は強まる
東西経済回廊というのは、ベトナムのダナン、フエからタイを横断してミャンマーへいたるインドシナ半島を東西に結ぶ高速道路を軸にした経済圏の計画です。すでに2006年から運営されているそうですが、この回廊ではラオス国内は南部に飛び出しているサワンナケート県を通っているだけです。
ラオスの首都をとりこむ高速道路が南シナ海へぬければ、ラオスにとっても経済発展のより足がかりになるはずです。今後の展開が楽しみです。
最後に思ったのですが、山間を通る高速道路工事が始まれば、多くのセメントが消費されます。ギソン・セメントなど北中部のセメント会社に大きな利益をもたらすかもしれませんね。