ベトナム株をはじめて、優良といわれる株を見つけたと思ったら、49%という外国人投資家比率の壁にはばまれて目的の株を買えずに歯がゆい思いをしたかたも多かったに違いありません。その筆頭がFPT情報通信[FPT]やビナミルク[VNM]です。業績も良い上に、配当率も多く、株式分割も頻繁に行う株主が買いたい銘柄たちです。
外国人枠が埋まっており、誰も売らないので、誰も買えないという状況だったので、ベトナム株式に興味を持った株初心者の方へのアドバイスの質問をいただいたTさんの伴侶がベトナム人であると聞き、うらやましいなどと思ったものです。
この外国人の投資家比率の上限。以前から政府内で撤廃について議論が進んでいましたがようやく具体的に動き出したようです。ベトナムニュースbizhubの記事を要約して内容を把握したいと思います。[元記事]VietnamNews bizhub - PM approves decree allowing higher foreign stakes in VN firms
グエン・タン・ズン首相は、2015年6月25日(木)、待望されていた上場企業の外国人投資家比率の制限の削除が含まれている新しい政令を批准(政府の同意)しました。ディン・ティエン・ズン財務相は、この決定を金曜日に開催された同省の上半期の結果の修正および下半期計画の策定のための会議内で発表しました。
ズン財務省は、この新しい政令は、株式市場の発展に大きな良い影響をもっているだけでなく、政府が効率的かつ迅速に進めている民営化プロセスの加速に寄与すると述べています。
「この政令が有効化され、外国人の出資が盛んであれば、相当量の外国からの資本が流入し市場を活性化させることが期待できます」と付け加えました。
現在の規定は公開企業の外国資本の上限を49%と定めています。新しい政令では、外国資本の上限が100%まで引き上げられ、各社が上限を規定することを認めています。しかしながら、銀行の外国資本比率は、現在と同じ30%の上限が維持されます。
規定のより詳細部分は近いうちに公開されることになっていますが、市場はより詳細の情報をもとめて様子見の状況です。
BIDV証券の統計によると、数十の上場企業は現在の外国人投資家の購入余地を使い果たしています。その代表的な企業は、ビナミルク、FPT情報通信、リー冷蔵電気工業株式会社[REE]です。
株式アナリストは、外国資本の制限の上限の撤廃は、企業の合併や買収の増加を伴った何億ドルもの外資の流入を予測し、今年の証券市場にとって大きな弾みになるとみています。
直近のベトナムビジネスフォーラムの中で、グエン・キエン資本市場ワーキンググループ代表は、ベトナム証券市場の規模は周辺各国の市場に比べてささやかなままであると述べました。ベトナム市場の時価総額はGDPと比較して25%にとどまっており、フィリピンの65%、タイの112%と比べると如実です。
専門家は、この小規模なストックマーケットのままでは国営企業の民営化プロセスの順調なサポートは難しく、外資への参入障壁の撤廃がこの状況の解決に寄与するであろうと考えています
以上、訳。
以前、バフェット指数で見るとベトナム株は始めどき、でもGDPに対してのベトナム株式の割安具合をとりあげました。いまだ、ベトナム航空をはじめとした多くの大きな国営企業の株式公開IPOが残されているとはいえ、ベトナム市場の規模の小ささは今後の伸びを期待するものとして考えると魅力的なものとしてうつると思います。
外国人投資家の保有比率上限が撤廃されれば、優良企業の株価はより活発に動くようになり、市場全体がよりアクティブに企業の力量を反映したものになると思います。個人的にもFPT情報通信の成長余地を楽しみにしており、チャンスがあれば購入したいと考えていますので、今後の具体的な上限撤廃のスケジュールを楽しみにしています。
また一方で銀行の外資規制は引き続き30%に留め置かれるとのことです。もとから規模の大きい銀行株はまだ相当数の購入余地が残っているとはいえ、長期保有予定がある銀行株は市場がブーストされる前に早めに購入しておいたほうがよいかもしれません。