ベトナム株が熱いです。
なぜなら、ベトナムの株価指数VNインデックスが、この8年間なかなか破ることのできなかった647の高値を突き抜けたからです。長期チャート上は青天井の様子です。
イギリスのEU離脱が決まったとき、一時VNインデックスは30ポイント以上も下げましたが、その後すぐ戻しました。
このすばやい回復がベトナム市場の底堅さを周知して、市場を後押ししたのではないかと思っています。世界経済的にも、すでにイギリスのEU脱却は盛り込まれているとも言われているので、底堅い展開です。
ベトナムのファンダメンタル経済も南部の大規模な旱魃の影響はあるものの、2016年の上半期小売売上高や鉱工業生産指数なども安定した成長を見せています。ますますベトナム市場から目が放せない状況になっています。(時事情報のリンクは随時僕越facebookにあげています。)
ホーチミンとハノイ市場が合併しできるベトナム統一市場
ホーチミンにベトナム証券取引所ができることが認可されました。これまでホーチミン証券取引所とハノイ証券取引所にわかれていた上場証券の取り扱いを一箇所にまとめるためです。さらに10月には統合した指数VNXインデックスができます。
下記、VIETJO記事より引用:ベトナム証券取引所本部をホーチミンに設置、首相が計画承認
ホーチミン証取とハノイ証取は10月より、新株価指数「Vietnam Allshare Index=VNX Allshare Index」を採用する予定。これは、ホーチミン証取上場の208銘柄とハノイ証取上場の180銘柄、計388銘柄から構成される。
この新株価指数が採用されれば、投資家は国内の証券市場全体の変動を把握することが可能となり、外国からの投資誘致にも貢献するものと期待されている。
今の取引システムの問題は、ホーチミン証券取引所とハノイ証券取引所の取引システムが違うこと。ホーチミン証券取引所は10株単位から株を買えるので額面上は100,000ドン(約500円)から購入することができます。しかも元本割れしている証券だとさらに安い。
しかし、ハノイ証券取引所は最低取引単位が100株なので1,000,000ドン(約5,000円)からの投資になってしまいます。
もちろん株はある程度の投資金額がないと意味がないとよく言われます。ただ、ベトナムの富裕層と言われている人たちの月収が15,000,000(7万5000円)程度なので、彼らが株式投資をはじめるとしたら、1,000,000ドンの投資は少し大きく感じます。
合併後はホーチミン証券取引所の基準に合わせられると思いますので、ハノイ証券取引所に上場しているなかなか手の出せなかったブルーチップ株とよばれる優良株が底堅い動きを見せるのではないかと思っています。1年後を見据えて投資するならハノイ証券取引所のVNXインデックス採用株も一度知っておいたほうがよいかもしれません。
目が離せないベトナム株。TPPと原油価格を注視
いろいろな追い風が吹いてさらに盛り上がりそうなベトナム株ですが、冷や水があびせられる可能性があります。TPPの行方と原油価格です。
ベトナムの証券指数は、ペトロベトナムガス(GAS)株が大きく左右します。ベトナムの証券市場の面白いところで、ペトロベトナムガスの子会社や系列会社も多く証券市場に上場しているため、原油価格の下落がベトナムの株価指数を大きく左右することになりますので注意が必要です。
また、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)はベトナム飛躍の大きな原動力であり、TPPの発効を見据えた海外直接投資(FDI)も増えているように感じます。しかし、もし、ドナルド・トランプさんが間違って大統領になってしまった場合は、今後のTPP交渉は混迷に陥るため、ベトナム市場に大きな打撃を与えます。
ヒラリー・クリントンさんもTPPに反対しているといわれていますが、資金援助を受けているはずの企業群、特に金融関係の会社がTPP支持を期待するはずです。なんだかんだとヒラリーさんが大統領になればTPPの話は進むのではないかと僕越は思います。
ベトナム経済を盛り上げたい僕越としてはトランプ旋風が巻き起こらないように、アンチ・トランプとして陰日なたに活動していこうと思います。