この記事は僕越・ベトナム株メルマガで2015年10月5日に発信したものです。
僕越的注目ベトナム株[国を支えるもの。チュオンロン自動車(HTL)]
2015年にはいり、ベトナムでは経済の前向き感を得て多くの建設工事が始まっています。高速道路の設置や立体交差の設置によって、ベトナム国内の陸運環境は大きく改善されてきました。ここ5年間でハノイ周辺でも多くの高速道路、立体交差が増えました。
空港からハノイ市内への移動も、以前は信号機がなかったのに、現在では多くの信号機が交差点に設置されています。以前は主流だったバイクでの輸送もだんだんと長距離化してトラックの比重が高まっているように感じます。
そこで、今日取り上げたいと思いますのは、チュオンロン自動車・技術株式会社(HTL)です。
この会社は、日本でもおなじみ日野自動車の販売代理店です。トラックやバスなどの日野ブランドをベトナムで販売しています。
ベト株での株価情報でわかりやすく売り上げの伸びを見ることができますが、2014年、販売実績が1兆ドンの大台を突破しています。2015年はさらに多くの販売台数が実績としてあがっていますから2015年末の業績は大きな伸びが期待できます。(2016年追記:2015年の売上高は65%増、Gross Profitは114%増でした。)
ベトナムでのトラック積載荷重の取り締まり厳格化を背景として、トラック販売需要が大きいことが多くのメディアで取り上げられています。価格の安い中国製トラックが多く売れているそうです。
車両販売のベトナム国内の位置づけについては下記のニュース証券のレポートが詳しいです。
ニュース証券 2015.05.14 ベトナムの自動車セクター
同業の自動車販売他社と比べて高い利益率
注目してほしいのは、上記レポート3ページ右下の純利益の伸びです。
同図左側の比較5社の中で一番販売代金が少ないのに純利益は上から二番目です。
この利益率の高さは、円安やベトナム工場の運用開始が大きく寄与しているのではないかと思います。
その利益率のおかげで、同社のROEは65.5%、ROAは25.1%です。
僕越がこの会社の注目する理由はいくつかあります。
1.陸運の大きな伸び
ベトナムは陸運がのびざかり。特に南北に長いベトナムでは陸運の需要が大きいと思われ、積載荷重厳格化の特需の後もトラックの販売需要は続くと思います。僕越の購入銘柄内も、運送関係の比重が大きくなっています。
2.円安の長期化予想
安部政権の円安政策は引き続き行われそうです。さらには国内ボディ工場の稼動が来年に控えていますから、価格競争力は引き続きありそうです。
3.バス特需の予想
日野車体の観光バスも扱っています。南北の移動の多いベトナムでは、多くのベトナム人が都会へ出稼ぎに出ています。旧正月の人の移動はすさまじく、都会には大きな静寂が訪れます。
現在その輸送を支えているのは小さなミニバスです。20人乗りほどの小さなバスにぎゅうぎゅうに人がつめられて移動しています。毎年、多くの事故がその小型バスの定員オーバーによっておこっていますから、少子化の進行による人命価値の高まりをうけて、トラック積載荷重の厳格化の次には、バスの乗客の定員厳格化もゆくゆくは始まるのではないかと思います。
観光バスの大手は韓国メーカーですが、日野のバスの伸びもその際には期待できます。
リスクをあげるとすれば株式の流動性
ひとつだけリスクとして考えられるのが、流動株式数です。あまり売り買いが活発でなく、昨今の好業績により株価が大きく上昇しています。まだ割安感はありますし、外国人投資家の株式購入余地はまだ残されていますが、売りが出て大きく下がったところで買うのがよいと思います。