ベトナム経済発展のネックともいえる運送事情。しかし、最近の高速道路の開通や立体交差の設置などでずいぶんと移動が快適に便利になりました。それに伴って、輸送事情がずいぶんと変化をみせています。ベトナム政府もより力を入れていく方針を発表しています。
ベトナムの国内向け英語ニュース"Vietnam news"に”ベトナム北部の輸送量が10%の伸び(NORTH'S TRANSPORT TO GROW 10%)”という記事から引用です。
以下、翻訳。
"NORTH'S TRANSPORT TO GROW 10%" 2015年11月16日 - Vietnamnews
「ノイバイ・ラオカイ高速道路の延伸は北部の山々を貫いてラオカイ省まで達した。2020年までの北部経済圏の交通開発計画においては、年間、約12億人の旅客の移動が見込まれている。」
グエン・タン・ズン首相は、2020年までおよび2030年に向けた北部経済圏の交通システム開発計画(年間5-5.5億トンの輸送量と年間12億人の旅客数)の実現のための調整を許可した。
2015年11月13日(金)のこの発表には、この北部全体の運送部門の年間10から11パーセントの成長率の達成目標が含まれている。
この計画によれば、1.15億から1.6億トンの貨物は北部の港湾を介して輸送されることが期待されている。
公共交通量は、ハノイで20から25パーセント、ハイフォンで5から10パーセントの伸びが期待されている。
この調整計画は、南北鉄道システム、イェンビエン、ファーライ、ハロン、カイラン(Yen Vien-Pha Lai-Ha Long-Cai Lan)鉄道ルートとそれらの首都ハノイの通過を含むアップグレードの完了も目標として定めている。
この鉄道システム計画は、北部の港湾、鉱山地域、主要な経済工業団地と観光エリアの接続を目的としている。
特に南北、ハノイーハイフォン、ハノイークアンニン、ハノイーラオカイ、ハノイーランソン、ニンビンーハイフォンークアンニンの6つの主要な輸送回廊の集中的な開発に重点をおいている。
道路輸送は、全体の85パーセントを担うことが期待されている一方、鉄道と航空サービスはそれぞれ6.2パーセントと9.2パーセントに達すると予想されている。
とりわけ南北鉄道システムは、平均時速を客車で80-90km/h、貨物で50-60km/hへとアップグレードすることを目的としている。
2020年以降に建設が開始される新鉄道ルートは、ナムディンータイビンーハイフォンークアンニンを貫く120kmとハロンームイチュアーモンカイを結ぶ150kmの区間である。
この計画は、ハノイの新都市鉄道であるカットリンーハドン間とニョンーハノイ鉄道駅間の完成を含んでいる。
以上。
ベトナム政府はより積極的に鉄道に投資すべきだと思います
ベトナムは、日本と同じように南北に長い国です。鉄道への投資は非常に効率的なものになると思うので、ぜひどんどん進めていってもらいたいものです。
ハノイ市内の都市鉄道はJICAの支援するものが、空港ーオペラ間と現在の鉄道の高架化の2本あるはずですが、そのことについては言及されていませんでした。現在、ハノイのノイバイ国際空港からハノイ市内へは公共鉄道がなく、初めての人へのハードルが高いタクシーやバスしかありません。(参照:ハノイでの空港タクシーの使い方)。首都の公共交通網の充実は、都市がよりよく発展していくために不可欠だと思うので、ぜひ前倒ししてほしいと思います。
こうした動きは、ベトナム株の物流セクターへの追い風になるに違いありません。より効率的に、経済を支える血液ともいえる運輸環境の改善が期待されます。