ベトナムの国旗は通称「金星紅旗(きんせいこうき)」
1940年にデザインされ、1941年にホーチミン率いるベトミンが当時ベトナムを占領していた日本に対抗する際にその旗印として使われたのがはじまりだそうです。各国の旗にはいろいろと意味がこめられていますが、このベトナム国旗も例外なく多くの意味がこめられています。
赤旗新聞を日本の共産党が出していたり、多くの共産主義国家が赤い色をベースとした国旗を使っています。その起源は、フランス革命時に戒厳令を示す赤旗を革命派が革命旗に使用したことにあります。それ以来、赤は革命のシンボルカラーとして多くの場所、国で使われることになり、共産主義の革命性を訴えるイメージの象徴として利用されています。余りにもよく使われるので俗称でアカ派と呼ばれるほどです。
ところが、ベトナム国旗の赤は少しニュアンスが違います。この赤色は「独立のために人民が流した貴重な自己犠牲の尊い血」を意味しています。ホーチミン率いるベトナム解放軍がいかに人を大事に思っていたかがわかる設定です。フランス、日本、アメリカ、カンボジア、中国、とベトナムは本当に多くの犠牲を礎にできている国ということを再認識させられます。
黄色の星の五条の光は労働者、農民、知識人、青年、兵士を意味し、この五階層の団結を象徴しているそうです。黄色の意味は革命を象徴している、肌の色を象徴している等、諸説あります。黄色はもともと王様の色といわれ、北ベトナム成立以前のベトナムの王朝の国旗は黄色をベースにしたものが多くみられます。もし、この黄色が王様から市民に主権を移す意味がこめられているならば、すばらしいと勝手に思っています。
ちなみに、ベトナム国旗の描き方は下記のように決まっています。プロポーションが明快ですので、必要になったら探すより書くほうが早そうですね。
お隣の中国の国旗とも似ているがベトナムのほうが先
中華人民共和国の国旗は、1949年、公募で集められたデザイン案をベースにつくられたものだそうです。赤は革命を、黄色は光明をあらわしているそうです。大きな星は中国共産党の指導力で4つの星は労働者、農民、小資産階級、愛国的資本家の4つを意味しているそうです。(wikipedia:中華人民共和国の国旗より)
ベトナムの説明のほうがロマンチックに感じるのは僕だけでしょうか?
おまけ
Googleイメージ検索で「金星紅旗」について調べていたら、この画像がひっかかりました。ベトナムも大胆な国になったな~、と思って覗いてみると、中国のアモイの画像でした。お隣の国同士ですが日ごろ仲良くしていないので、旗の構成要素が似ているというだけでいろいろと誤解がうまれそうですね。でも、ベトナム土産として売ったら結構いけるんじゃないか?という不思議な魅力のある水着に仕上がっています。
出展:ダディの国旗の世界:中国もここまで来ました!(18歳未満の方はご遠慮ください)
ベトナムがほかの社会主義の国と違い、より人に重点を置いているということが、旗の説明から伝わってきます。祝日になると街にはためく国旗たち。さらに親近感が湧いてきました。今度の2015年4月30日はサイゴン陥落40周年。この記念すべき日。きっと街はこのベトナム国旗で埋め尽くされることでしょう。今から楽しみです。
ベトナムの経済は著しく発展しています。この記事を機会にベトナムへの投資に興味をもった方は、ぜひベトナム投資のすすめにある記事にも目を通していただければ幸いです。