対中国という利害一致から得られる経済サポート
ゲゼルシャフト(Gesellschaft)、という言葉があります。google先生によれば、「人間社会の型の一つ。その団体に加わって得られる利益が、成員の関心の中心になって結合される。利益社会。例、会社・労働組合。」ということだそうですが、簡単に言ってしまえば、経済的利益を共有する仲間組織のこと。
よいお客さんに恵まれなければ、利益はなかなか上がらないし、ビジネスの仕方を教えてもらえなければなかなかビジネスで成功するには難しい。
お金もちがよりお金持ちになるのは、その仲間がお金持ちだから、ということですね。残念ながら庶民の僕越は強力なゲゼルシャフトからは遠いところにいるようです。
ユダヤ人社会や華僑社会、会社組織では財閥といったところがこのゲゼルシャフトにあたると思います。各地域にある商工会議所などもゲゼルシャフトにあたるのかもしれません。
質の高いゲゼルシャフトに属することが、経済的成功を生む近道であるというのは、自分よりも収入の多いお金持ちと友達になりなさいという、各種成功本のいう成功への近道なのだと思います。
さて、一方、この対中国という視点でベトナムを見てみますと、非常に興味深いことがわかります。
昨今、話題に上っているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)などはその典型で、脱中国、対中国としてベトナムの地理的な重要さがクローズアップされています。
ベトナムでは華僑社会は表向きは強くなく、近年の南シナ海での中国の空港設立という横暴に大してデモがおきるほど歴史的に対中感情はよくありません。
僕越はベトナムに来る前に知らなかったのですが、アメリカとのベトナム戦争のあと、中越戦争が引き続き行われ、ホン河には毒が流されるなどしたそうです。
中国の南に位置し、南シナ海に面するベトナムは、現代の海運の要所といってもよく、アメリカ、日本などにとっては大変重要な場所です。
中国との確執があり、華僑社会の影響が強くなく、人口がそれなりにあるベトナムという国は、地政的に大変重要な国であるといえます。
越僑に加えて日本とアメリカのサポートはベトナム発展の原動力になる
東南アジアで華僑の強い国は、第二次世界大戦後大きく伸びました。
マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシアなど、華僑の力が経済発展を引っ張ったといっても過言ではないと思います。
一方、ベトナムは社会主義国として経済開放が遅れたこともあり、経済発展は遅れていました。しかし、ここにきて非常に重要なパートを担いだしたという感じがあります。
地政学的な重要さとともに、豊富な労働人口、文化的にも日本と近しく、勤勉な性格のベトナムは日本のパートナーとして非常に魅力的にみえます。越僑の送金という基本的なサポートに加えて、今後の日米のサポートはベトナムの経済発展の根幹かもしれません。
10年にわたりベトナムを引っ張ってきたグエン・タン・ズン首相にかわり、この4月から新しくグエン・スアン・フック首相が任命されました。
そして最初に会った外国人ゲストが日本の深田大使です。(Vietjo:深田大使がフック新首相を表敬訪問、首相就任後最初の外国人ゲスト)
日本にとって(アメリカにとっても)、ベトナムが経済発展し、力を持ち、しかも国民がより親日になることは、国の外交政策の要といってもよいかもしれません。
ですから、当面、日本によるベトナムサポートは長期的に続くはずです。ですから日本人である僕たちが、ベトナム株に投資するというのは非常に的を得た投資方法なようにも思う、今日この頃です。