もはや、ベトナムでは定期的なイベントとなったような感じのある海底インターネットケーブル切断事故。2015年4月23日(木)の早朝におきました。おかげで家でもオフィスでも一部のサイトはインターネットが遅く結構不便な状況です。
来週の連休には、すっかりご無沙汰してしまっている「NARUTO」をクランチロールで一気見しようかと思っていた矢先の大事件です。インターネットが遅くてたびたび動画がとまるようだと驚きも悲しみもイマイチになってしまいますから。(日本を留守にしている間にナルトが完結したそうなので、来週来る友達に全巻漫画.comで全72巻を大人買いしてきてもらおうかとも考えたくらいです。)
香港とホーチミンの間でプツリと切れた。
切断されたのは「アジア・アメリカ・ゲートウェイ(AAG)」というベトナムとアメリカを結ぶ海底ケーブルです。この結果、ベトナム国内のすべてのプロバイダが影響をうけておりインターネット接続速度が大幅に低下しています。
切断箇所はホーチミン市と香港の間をつなぐSH1と呼ばれるケーブルのどこかとのことですが、正確な地点は調査中とのこと。復旧は2-3週間と見られています。しかし、さすがにこの海底インターネットケーブル切断事故もこの1年間に4回目ともなると、FPT情報通信に属するFPTテレコム(FPT Telecom)などの通信各社は陸上の迂回ルートを設定し対策を行っているそうで、この事故からの被害は限定的なものになるということ。確かに前回は、どのサイトも劇重になったのに、今回は一部のサイトがつながりにくいだけです。
1週間後にサイゴン陥落、ベトナム戦争終結40周年を迎えるベトナムにとって、その喜びが世界に発信されることへの影響は少なそうです。きっと、この4月30日の朝にはホーチミンでは大規模なパレードが各国のVIPを招いて行われることと思います。ベトナムではスマートフォンの普及率とfacebook人口の多さから、きっとネット上もお祭り騒ぎになることでしょう。一緒になって楽しめるのを心待ちにしています。
ベトナムはサイヤ人のようにしぶとい国に。
この切断事故、サメや船との接触が可能性として考えられると発表されていますが、ちまたで言われているのは某国の嫌がらせ説です。南シナ海のチュオンサ諸島(南沙諸島)では滑走路問題でたびたび衝突がおきていますしね。
しかし、まるで死にかける度に強くなってかえってくるサイヤ人たちのように、ベトナムのインターネット通信網も冗長性を得てだんだんとしぶといものになってきているようです。これがもし、もし本当に某国の作戦だとしたら、図らずしも敵に塩を送っている状態になっているということもありえそうです。
ベトナムのような若い国は、こうやって問題を細かくおこして行ったほうがいざというときのために良いかもしれませんね。この事故に感謝をしつつ、ベトナムの着実な発展の契機にしてもらいたいと思います。
2011年から7回も切れていた海底インターネットケーブル
2015年5月1日(金)追記
昨日2015年4月30日(木)のサイゴン陥落40周年の記念も、このインターネットケーブル切断事故を乗り越えてつつがなく盛り上がったようです。街にはバイクがあふれ、ホーチミンの歩行者天国には人があふれたとか。ハノイは、ホアンキエム湖で花火があがったのが我が家からも遠めに見えました。
その後の新しい情報によれば、切断箇所はホーチミン市からメコン川を下った河口東岸のバリア・ブンタウ省の沖合い300kmで、香港とシンガポールを結ぶケーブルの一部分だそうです。このあたりを地図で眺めてみるとコンソン島という比較的大き目の島が見えます。東へずっと行くと、今問題になっているスプラリー諸島。相当数の船舶が行き来しているであろう海峡です。
切断部分を溶接して修理するのに約2週間かかるとのこと。インターネットケーブルを修理するのに溶接が必要なのは、ケーブルを包むカバーを直すということなのでしょうか。AAGの切断事故は2011年から数えるとなんと7回にもなるそう。
そこまでくると無粋な某国の陰謀説を考える前に、もしかすると、ケーブル自体の構造に問題があるのではないかと思ってしまいます。地上迂回ルートで影響は大幅減とのことですが、根本的な解決が必要なのかもしれませんね。
修理中にはgoogleにつながりにくくなることも
2015年5月11日(月)追記
予定では海底インターネットケーブルは本日復旧予定です。数日前に、google検索とgmailが著しく不調になったことがありました。おかしいな、と思っていたのですが、どうやらこの理由は、復旧作業にともなう溶接工事が行われていたからのようです。
これはTien Phuongに掲載されていた写真です。(参照元:Tien Phuong) この写真が現地のものならこの海底インターネットケーブルはダイバーがもぐって作業できる水深のようです。上のパイプ状のものがケーブルでしょうか?そして下のボックスのようなものはコンクリートの重しでしょうか?このような構造だと、鮫による攻撃によって被害、、、、というのはなかなか現実的でなさそうな気がしますね。
今後は問題が起きないことを祈ります。