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僕がベトナムに投資する理由

VFMベトナム・ダイヤモンドETFとは何か?(1)外国人投資家購入枠について知ろう

2020年12月17日

今日、僕越は初めてVFMベトナム・ダイアモンド ETF を少し購入してみました。この ETF はベトナム株の中で、外国人がなかなか買うことのできなくなった優良株に間接的に投資ができるという、われわれ外国人投資家に救いをあたえる興味深いETFです。

まず外国人投資家購入枠について理解しよう

このVFM VIETNAM DIAMOND ETFについて紹介する前に、ベトナムの証券制度のひとつ、外国人投資家がうける制限についてご紹介させていただければ。

以前の投稿、ベトナム株・外国人投資家の購入可能数のかんたんな調べ方でも言及しましたが、ベトナムの株式投資において、とっても悩ましいのが、外国人投資家購入枠というものです。英語では、「Foreign ownership ratio」というようですから、直訳すると「外国人所有比率」ということになりますね。

この制度のもと、現在、ベトナムのほとんどの会社では外国人投資家が購入できる株式の最大パーセントが決まっています。簡単にいうと、「外国人が買える株式は全部じゃないぞ。しかも半分未満だ!」、ということです。

ベトナム株を始めたばかりの方やこれからベトナム株を始めるぞーという人にとっては、あまり聞いたことがない制度かもしれません。なぜなら、日本の株式市場ではそういう制度がないからです。(少なくとも僕越は聞いたことがありませんでした。もしあれば教えて下さい!)

では、なぜそんな制度があるか、ということですが、そもそも株式は、会社の議決権とひもづいていますから、半分以上の株式を手に入れると、その会社は思うがままにできることになります。

ベトナムはしっかりしている:国家防衛上、必要な持ち株比率制限

ベトナムは社会主義国だったこともあり、かつてはすべての会社がベトナム資本でなくてはならず、外資系企業は現地の会社と合弁会社を設立し、ベトナムへ進出していました。経済の発展や資本制度の導入、国際化にともなって、いまでは外資系の会社もみとめられるようになりました。

しかし、電力やガス、銀行など、国の重要な機能やインフラストラクチャーをになう会社が、株の買い占めをうけてコントロールが効かなくなると大変です。だから外国からの脅威を排除するために外国人の購入できる株式の上限が50%未満というのは、国家防衛上、理解できるところです。

企業の重要度によって外国人の購入できる株式の最大持分が決められていますが、普通の会社は49%の株式が購入できる枠になっています。また銀行であれば最大30%という風になっています。以前はすべての上場株式にこの上限枠が適用されていました。

外国人投資家保有率が上限いっぱいになるとどうなるかというと、外国人である私達は、その銘柄に対して買い注文を出すことができなくなります。ほかの外国人がその銘柄を売って空きが出るまで待つことになりますが、そんな優良株は業績が悪くなるようなことがなければ空きがでることはまずありません。そうやって、投資したいけどできない外国人投資家がわんさか。多くの機会損失が起きていました。

なかなか進まない外国人投資家枠の撤廃

そんな状況がよくなるのではないか、と大変期待されたのが、2015年に施工された外国人オーナーに対しての上限撤廃の法律です。

くわしくは、ベトナム株の外国人枠上限撤廃に備えるにも書きましたが、申請によって問題がないと認定された民間企業においては、この最大保有率が撤廃できることになりました。つまり日本と同じように100%まで自由に売り買いできるように!、、、しかし、大きな期待に反して、実際は多くの優良企業が撤廃をまだ行わず、あるいは行えず、外国人が購入できる株式数にリミットがある状態がずっと続いています。

僕越が投資したい会社にFPT というベトナム最大のIT 企業があります。ドコモなどを顧客にもち、世界中からのオフショア開発を引き受ける将来有望な企業ですが、この会社の場合は以前から49%の株式が購入できる枠になっています。IT企業ですから、僕越は規制対象外だろうと思い、撤廃をいまかいまかと待っていますが、今の所、そんなニュースは聞こえてこず、購入できない日々が続いています。

また、銀行などは最大30%という枠になっています。しかし、たいてい国際提携銀行などが出資することである程度の枠を占領していますから、外国人の個人投資家が買おうと思っても、これまた難しいという銀行が多数あります。

僕越のメインバンク、VPバンクはサイトも使いやすいし、サービスも良いし、ということで非常な勢いで伸びた商業銀行です。ですから株式公開が決まったときには、やったー!っと手ぐすね引いてまっていたものですが、いざ公開されてみると、すでに30%の枠が埋まっていて購入できず、大変悲しい思いをしました。われわれ外国人個人投資家にとっては憎き制度なのです。

だから、そのためにベトナム人の奥さんや旦那さんに株式口座を持ってもらう、というケースもあると聞きます。僕越も、もし奥さんがベトナムの方だったら絶対に口座を作ってもらっていたと思いますね。本当に。

そんな状況がながらく続いていましたが、この状況を受けてできたのが、ベトナム・ダイヤモンド ETFというわけです。

つづきます

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